一般的な男性の生殖器にあっては、子供の頃は包皮が亀頭を覆っていますが、大人になるにつれて自然に包皮がめくれ、亀頭の先端部分が露出してきます。しかし中には成人しても包皮に覆われたままのケースがあります。これを、包茎といいます。
包茎には真性包茎・仮性包茎・カントン包茎の3種類がありますが、このうち真性包茎については、一定の要件を満たせば保険適用で治療が受けられます。見方を変えれば、それだけ深刻な状態であるとも言えます。デリケートな問題ゆえに自ら告白する人はめったにいませんが、真性包茎の悩みを抱えている人は少なからず存在します。
そもそも真性包茎とはどういう状態のことをいうのか
男性の生殖器は、先端部分に当たる亀頭と股間から伸びている陰茎という2つの部位で構成されています。このうち陰茎部分は外側を包皮に覆われていますが、包皮は亀頭のすぐ下の部分で折り返されるような形で亀頭の先端目がけてさらに伸びています。この、包皮の先の部分が亀頭を覆っている状態が包茎です。
3種類ある包茎のうち、仮性包茎は手で包皮を剥いたりすれば簡単に亀頭を露出させることができる状態をいいます。性生活も正常に行えるため、そのまま放置しても日常的に問題が生じることはそれほどありません。国によっては、これを包茎のうちに含めないのが公式見解になっているケースもあります。
これに対し、真性包茎では包皮が亀頭を完全に覆ってしまっており、平常時はもちろん、勃起時においても先端が露出することがありません。
真性包茎は生殖器の長さに対して包皮が長すぎることによって起こりますが、さらに細かく見ていくと2つのタイプがあります。1つは、先端の開口部(包皮口といいます)が亀頭のサイズに比べて狭すぎるため、剥こうとしても引っかかってしまうというものです。そしてもう1つは、包皮の内側と亀頭の表面が癒着したような状態になり、剥がれなくなってしまっているというケースです。
ペニスを清潔に保つことが困難
真性包茎に関する悩みは、肉体的なものと精神的なものの2つがあります。このうち前者の代表格と言えるのが、衛生面における悩みです。
真性包茎の場合、包皮が常に亀頭を覆っているため、入浴時などにおいても亀頭の表面を洗うことが困難です。そのため、どうしても不衛生になりがちです。包皮の内側に垢や古い皮脂などの老廃物が溜まると、雑菌が繁殖して不快なにおいを発することがあります。そればかりか、その菌が原因となって感染症を引き起こすおそれも生じます。
また、肉体的な苦痛も悩みのたねとなります。亀頭を清潔にしようと無理やりに包皮を剥こうとしても、包皮口が狭すぎたり内側が癒着していたりすると痛みを覚えます。それでも強引に剥いたりすれば、破れて出血してしまうおそれもあります。
さらに、包皮口が完全に閉じてしまうレベルの包茎だと、尿を排泄する時に困難が生じます。研究によれば、排尿するたびに力まなくてはならないような状態が長く続くと、膀胱の拡張から水腎症、腎不全といった深刻な病気を引き起こしてしまうリスクが報告されています。こうしたことから、真性包茎を治療するための外科手術には公的保険が適用されます。
人に見られることへのコンプレックス
真性包茎に関する精神的な悩みで最も深刻なのは、外見上のコンプレックスです。普通の男性であれば亀頭が露出しているのが当たり前なのに、包皮に隠れている自分は異常なのではないか、人に見られたら笑われるのではないかといった不安が生じます。思春期であれば部活動における着替えの時間や、合宿や修学旅行などににおける入浴時間が大きなストレスとなります。
外見上のコンプレックスは、性生活にも影響を及ぼします。包皮をかぶったままの生殖器をパートナーに見られるのは恥ずかしいという思いから、恋愛にも積極的になれなくなってしまいます。その結果、パートナーに裸を見せられない、結合しようにもスムーズに勃起しないといった事態も起こり得ます。
なお、肉体的な問題が性生活に影響することもあります。というのも、結合しようとして生殖器の挿入を試みても、摩擦によって包皮が引っ張られることによって痛みを感じ、通常の性行為ができないおそれがあるからです。
また、先述の通り真性包茎はどうしても亀頭部分が不潔になりがちなことから、パートナーがにおいで不快な思いをしたしまうのではないか、感染症をうつしてしまうのではないかといった不安にさいなまれることもあります。
デメリットや必要な治療など、まずは無料相談にて承ります
まとめ
仮性包茎であれば、自分の手で包皮を剥いたり市販の矯正具を使ったりして「剥きグセ」を付ければある程度改善が期待できます。しかし真性包茎の場合はなかなかセルフケアでは改善が難しく、そもそも痛くて包皮を剥くことができないケースが少なくありません。
悩みを解消するには、専門家である医師に相談するのがおすすめです。最も効果的な解決手段は外科手術によって余分な包皮を取り除くことですが、生殖器にメスを入れられるのが不安だという人であれば、レーザーを使うなどの他の処置を選択することも可能です。しっかり治療することで、痛みやコンプレックスからも解放されます。